山に身をおくこと


体を動かすことが嫌いではなかった私は、幼少期はバレエを習い、高校は新体操部に入っていました。看護師になってからもジムで大会に出るくらいエアロビクスにはまったり、ゴルフもしてみたりしました。その合間で茶道やフルートといった静なるものにも挑戦し、それはそれで心落ち着くものでした。

登山のきっかけは2017年に職場の友だちと石鎚山に登った事です。その友だちが病気になり(今は元気ですよ)山活動が途絶えたので、21年に福山山岳会に入会しました。諸先輩方から山の楽しさや面白さ、自然の厳しさや恐さを教わりながらさまざまな山に挑戦しました。

眺望最高で雄大な景色や花々に囲まれ癒やされる時もあれば、急登で足が前に進まないこと、大雨で衣服の中までずるずるになることもありました。しかしどんな経験も行かなきゃ良かった…と思ったことは一度もありません。

中でも一番感慨深いのは、2023年7月、長野県にある燕岳~大天井岳~常念岳を縦走した時でした。初めてのアルプスで燕岳の頂上に着いた瞬間に見えた、「女王」と呼ばれる凛とした燕岳の姿、奇岩も所々に現れ趣のある山でした。何よりも燕岳から見える槍ヶ岳や穂高岳のパノラマを眼にした瞬間、涙があふれて止まりませんでした。この時の感動が忘れられなくて、立山、白峰三山、くじゅう連山、下ノ廊下、屋久島、開聞岳など仲間とたくさんの山に向き合いました。雪山登山を経験したこともあります。

そしてこの数年でわかったことは、山へ身をおくことは癒やされ居心地が良いこと、人生を充実した豊潤なものにしてくれているということです。さらに免疫が上がるのか、より健康体になっていると実感している真っ最中です。