飛騨山脈(北アルプス)の南端に乗鞍岳(3,026m)がある。いくつかの登山口があるが登り易いのは畳平からだ。畳平の標高は2,700mで登山口まではバスやタクシーで行くことが出来る。頂上までの標高差は300m程で4~5時間程度で往復でき、山小屋もあり宿泊もできる。空気が地上より30%程薄く高山病が気になるが、急がずゆっくり登れば大丈夫だ。
高山植物の種類も多く、乗鞍の花図鑑には65種掲載されている。其々の開花時期に差が有り、おおむね6月~9月だが、最も多くの高山植物たちに出会えるお薦めは7月中旬~8月中旬の間だろうか。私は7月末に行き、コバイケイソウ、クロユリ、コマクサの群落に会えた。コマクサは高山植物の女王と言われている。3種類同日にこれだけの群落を見たのは初めてだ。
運が良ければ雷鳥の親子連れに出会える。乗鞍岳には150羽が生息しているとのことだ。絶滅が危惧されている山域もあるが、ここでの生息数は維持されているようだ。1羽が生む産卵個数は平均6個で、無事生まれ成長するのは2~3羽だそうだ。
また北麓には五色ヶ原が有り、ガイド料が必要だがガイドを頼むことができれば、より深く植物観察や森林浴を楽しめる。現在3コース有り、其々が7㎞程度で7時間ほどの行程だ。しらびそコースにある落差40mの布引滝は圧巻だ。写真1枚には収まり切れない。是非一度は訪れていただきたい山域だ。