山遊び


約6年前、写真撮影が趣味だった私は、知り合いから景色がきれいだったと聞かされ、愛媛県の石鎚山へ登りました。登山は初めてで知識なんて何一つなかったため、初心者向けのルートで登ったのですが、かなりしんどかったのを今でも覚えています。

山荘で夕食を終え、外に出てみると、霧などの影響で虹の輪が浮かびあがる「ブロッケン現象」が起きており、山の美しさにはまっていきました。石鎚山は登山を始めたきっかけで、私にとっては特別な山です。

それからは、時々山へ行くようになりました。蔵王山を歩いているとき、偶然山岳会のクライミング部を見かけ、「こんな遊び方もあるんだ」と興味を持って、入会しました。

今年の10月には、石鎚山の北壁がそびえたつルートに挑戦。2カ月前から入念に準備しましたが、当日はガスも出て視界が悪く、強風で仲間とコミュニケーションが取れなくなるといったアクシデントもある中、無事に登頂しました。その時の達成感は鮮明に覚えています。

今は、クライミングが私にとっての登山の中心です。夏は沢登り、冬はバックカントリー(山岳区域)スキーを楽しんでいます。自然の中を進んでいくと、自分の中にある冒険心がかき立てられ、とてもわくわくします。もちろん危険と隣り合わせ。「自然の中で遊ばせてもらっている」と思っています。

山では、経験豊富な先輩方にさまざまなことを教えてもらい、安全に遊ぶことができています。知識や道具など、登山の旅に何か一つを自分の力にするために持ち帰っています。興味のある方は一緒に山遊びをしませんか?