私が山に興味を持ったきっかけは、湊かなえの小説『山女日記』です。ちょうど運動不足を指摘されていた時に読み、「運動と同時に自身と向き合う時間を作れるかも」と思い、初めて蔵王山に登ってみました。登る前には、「色んな山に行くようになれば旅行も兼ねての趣味になるかな?」などと楽しく想像していた私でしたが、登り始めの15分のしんどさで心が打ち砕かれそうに。しかし(今でもですが)15分を過ぎると体が楽に動くようになり、景色が変わっていく様子や頂上からの眺めに感動して、それからは毎週末のように山へ行くようになりました。
元々人と合わせる事が苦手なので、最初の1年はほとんどソロでした。スタートやコース、寄り道なども自由で、登山は一人が推奨されていない事を知ってはいましたが、特に問題を感じていませんでした。2月に登山を始めて、同年の9月には北アルプスの涸沢カールで初めてのテント泊も。もちろんソロです。
しかし山で出会った方が、偶然にも家が近所だった事をきっかけに、その後も山行に誘って下さるようになり、初めて「山友」ができました。彼女に誘われて行った山でたくさんの出会いがあり、今では私からも積極的に人を誘っています。行きたい山や「満天の星空を見たい」などの目的、そしてそれにかける情熱が合う山仲間は、私にとってかけがえのない宝物です。私の世界を広げるきっかけとなったあの出会いに、本当に感謝しています。
私が山岳会に入会したのは、雪山登山やクライミングなど、経験者に教わらないと難しい事をしたいからですが、気が合う仲間やレベルの会った山友を探すという目的もありだと思います。同じ絶景を見て感動したり、おいしいものや楽しい事を一緒に楽しめる仲間は最高ですよ!