神が降りる地とも呼ばれる日本屈指の山岳景勝地「上高地」。その名を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。澄んだ梓川に河童橋。見上げる槍ヶ岳や穂高を代表する穂高連峰。上高地を初めて訪れたのは、10年前のことでした。
当時私はその美しい自然に感動し、いつか自分も憧れの穂高連峰の稜線に立ってみたいと思い続けながら、日々に追われ行動に移せないまま月日を重ねることになりました。
コロナ禍をきっかけに環境が変化し、自身を見つめ直す機会が増える中、上高地再訪と穂高連峰への情熱が再燃し、2020年槍ヶ岳、穂高縦走を目的に再び上高地を訪れました。苦労して登った分、日常では味わえない達成感と絶景がそこには待っていました。
3000m級の峰々が連なる穂高連峰の天空の稜線歩きは、空に浮かんでいるようで、特に私のお気に入りです。一度稜線へ辿ると比較的アップダウンも少なく気持ち良い稜線漫歩が楽しめます。
槍ヶ岳にも魅せられました。その名の通り、先鋭な槍の穂先で空を突くようなどこから眺めても見紛うことのない特徴的な姿。槍ヶ岳に興味を持って調べるうち、その歴史や登山ルートも一つではないことを知りました。一般的な登山ルートとは異なり、登ることがより困難な登山ルートもあります。今ではそのような困難な登山ルートに、子どもの頃に忘れていた冒険心をかき立てられ、すっかり魅力にとりつかれてしまいました。
人それぞれの楽しみがあると思いますが、行動に移せないまま日常の片隅に追いやられた情熱を思い起こしてチャレンジしてみませんか。年齢に関係なく、きっと忘れていた自分や新しい自分に気付くことができると思います。