山登りに興味を持ったのは63歳。私の定年退職のころでした。夫婦共通の趣味として、広島や岡山など近郊の低い山で足を鍛え、技術を学び「さぁ~、あこがれのアルプスへ」と登り始めた65歳の時、頼りにしていた夫が病に倒れ、急死してしまいました。
それ以来2年以上、気力も無くなり、ふさぎ込んでいるばかり。見かねた親友が、山岳会に誘ってくれました。最初は皆さんについて行くのが精一杯でしたが、何も考えず汗を流す登山は悲しみを少しずつ忘れさせてくれました。
現在74歳。山友だちに恵まれ、遅咲きの山一筋の生活を謳歌しており、リーダーをはじめ山の仲間には感謝の思いでいっぱいです。自然の中では心が清らかになり、どんな低山でも山頂に立つと達成感と感動で満たされます。雑草と思っていた草花にも全て名前があると知り、驚くこともありました。
私の写真は石鎚山の紅葉。その下の景色は滋賀県御在所のロープウェイを見下ろしたショットです。
長かった冬が終わり、私にとってはこれからが登山のシーズン。4月は3泊4日で富士山が見える金時山と天城山、那須岳、筑波山を登りました。早朝4時から登り始め、昼過ぎには下山するスケジュールでした。
今年は予定が目白押しなので楽しみです。5月は50代のカメラ女子と2人で鈴鹿山脈を登り、後半には南紀・大台ケ原へ。6月は北海道の利尻、礼文。7月は槍ヶ岳。8月は東京から小学生の孫が遊びに来るので、近場の蔵王山を登りたいと思っています。
夫のいないさびしさを埋めるために始めた登山が、私の人生を充実したものにしてくれました。山岳会との出合いに感謝する日々です。