山は活力のもと


私が登山に興味を持ったのは40歳を過ぎた時でした。それまでは気に留めていませんでしたが、ふとテレビ番組の「日本百名山」が目にとまり、素晴らしい景色を見てみたいと思ったのがきっかけでした。

最初は、初夏に初級コースの道後山へ挑戦。登山口では他に人が見当たらず、少し不安もありましたが登ってみると、静かな自然に包み込まれ、精神が研ぎ澄まされるようでした。草木は生命力のある新緑で所々に花が咲き、小鳥のさえずりが聞こえ、日常とは違う時間がゆっくりと流れているようでした。

一歩ずつ登っていくとあっという間に山頂に到着し、これなら自分でも登れそうだと思い、次は大山に登ってみました。道後山と違って多くの登山者でにぎわっていました。高齢の人も多く、大丈夫だろうと高をくくっていましたが、快調に登れたのは最初だけ。すぐに呼吸が乱れ、疲れで足が上がらなくなりました。周囲の人々の颯爽と登っていく姿に驚かされました。それでも山頂付近の素晴らしい景色を見ると、一気に疲れが吹き飛ぶ程でした。

山の多様性が持つ面白さに気付き、もっと色んな登山をしてみたいという思いから福山山岳会に入会しました。会には驚くほど色々な分野の専門家がいて、一気に世界が広がりました。今は、登山とクライミング要素を取り込んだスタイル「アルパインクライミング」や縦走に興味がありますが、山ごはんや自然を楽しむなど、さまざまな登山をしたいと思います。

私にとって山は、活力のもとであり、自分の体力や精神力、生命力を向上できる大切な場所です。これからも活力をもらい、恩返しをしていきたいと思います。