絶景と花に励まされた「ミーハー登山」


私の山登りの始まりは、府中市上下町にある岳山への登山でした。地域の登山行事にスニーカーとナップザックで参加しましたが、滑る斜面に苦戦し、ナップザックの細いひもが肩に食い込んで、ハイキング気分が吹き飛んだのを覚えています。

私が苦戦した斜面をスイスイと登られる年配の方の健脚には驚きました。大変ながらも登頂して山頂から眺めた景色に感激し、達成感と下山の心地良さにハマることに。

ネットから福山山岳会に申し込み、会の山行に参加するうちに、少し高い山にも登ってみたくなり、個人で長野県にある木曽駒ヶ岳登山のバスツアーへ申し込みました。

おわんのような地形の「千畳敷カール」のスイスのような景色や、山頂から遠く離れた富士山まで見える、恐ろしいほど素晴らしい景色に圧倒されました。山間部に暮らす私の周りの景色とは全く違う光景でした。ここから私の「ミーハー登山」がスタートしました。

どうせ登るなら一番高い山からと、登山ツアーに申し込んで富士山に挑戦。次は日本で2番目に高い北岳に挑みました。

山の魅力は、登頂の達成感や山頂からの絶景だけではありません。福山の北部、帝釈峡近くに暮らしていながら、山野草の名前をほとんど知らなかった私。春先の里山で初めて見たミヤマカタバミは、地味だけど園芸種とは違うかわいらしい山野草でした。山頂を目指す登山の楽しさに加えて、山に咲くいろいろな高山植物に出合う楽しみも増え、花の美しい山へも行きました。

高い山から登ろうと始めたミーハー登山開始から8年。今年、新潟県の苗場山で日本百名山を完登しました。ツアーや山友の山行に参加して登頂した、ほとんど他力本願の登山。でも、登った山々で感じた感動は、自分のものとして記憶しています。