亀ヶ岳


府中市街を見下ろす亀ヶ岳(539.1m)は、備後平野を見下ろす蛇円山(545.5m)とともに備南を代表する二山である。双方の山を行き来していたという大蛇伝説もあり、亀ヶ岳中腹の青目寺には当時退治された大蛇の頭が保管されている。

JR府中駅に降り立つと北方に亀ヶ岳が聳えその左手に旗立山、さらに八尾山と三つのピークが待ち受けている。まず首無し地蔵を経て府中八幡神社を目指そう。神社への長い石段を登り、本殿の右手から八尾山への登山道に入ると急坂となる。山頂近くの妙見社からは眼下に府中市街が広がる。

このルートは地元では府中アルプスと呼ばれ人気のコースである。全般的に登山道は良く整備され標識等も完備されて迷うことはない。ここで一息入れて疲労度とか体調を考え引き返すかどうか考えよう。引き返せばあと1時間で府中駅に帰られるが、山頂までの全行程はこれから3時間みておく必要がある。

次のピーク旗立山は妙見社の横手からの小道を北に辿る。やがて鞍部に降り登り返すが、しばらくすると車道に出る。車道を少し進むと旗立山登山口の分岐がある。旗立岩からの素晴らしい眺めを楽しんだらふたたび車道に降りる。七つ池を右手に見て数えながら進むと七番池(大池)の東屋に着く。トイレも完備され昼食と休憩にはお勧めの場所だ。

大池を右に見ながら回り込むと亀ヶ岳山頂には約15分で行ける。山頂は樹木が伐採されており、新市、福山方面の展望が開けている。この先約10分で着く竜王山展望台では秀麗な蛇円山も望まれる。小休止したら標識に従い青目寺を目指して下山する。落葉の積もった急な下りなので、スリップに注意したい。青目寺から府中駅までは舗装道路、今度は車に注意しながら歩こう。