クライミングは元々登山に必要な技術の一つでした。近年ではクライミングそのものを楽しむようになり、フリークライミングと呼ばれ、そこからさらにボルダリング、スポート、トラッドといったさまざまなスタイルがあります。どれも自分の身体を使い、あるがままの岩壁を登っていくシンプルなスポーツです。自分に合うスタイルや目指すルートが見つかれば、より一層楽しめます。私は挑戦したい山があり、その訓練のため呉市の天応によく行きます。マルチピッチをダブルロープで登ります。最初の一本目はいつも緊張します。ビレイヤーとルートの確認をしてスタートです。登りながら考えることは山ほどあります。本番を想定して残りのギアの数、残りのロープの長さに気を配りながらのルートファインディング。支点を作るため岩の隙間にカムやナッツを固定したり、残置ハーケンや立木を利用します。そしてロープの流れやセカンドが登って来た時の安全性を考慮しながらランナーを取ります。
安全を確保しながら攀じ登り高度を上げていきます。その高度感から恐怖を感じます。自分の技術を信頼することで、それを克服していきます。こんなエキサイティングなスポーツが身近にあることに驚かれるでしょう。シューズ以外は全て安全確保の装備ですが、これらをスマートに使いこなせるとかなりカッコイイです。上手く使いこなしたいと思ってしまいます。
登る技術も必要ですが、それよりも安全確保の技術に奥深さを感じます。還暦を過ぎて始める方も少なくないクライミングの魅力。興味があれば福山山岳会で学んでみてはいかがでしょう。ハードなスポーツだと思われがちですが、中高年の方でも個人の長所を生かしたクライミングが楽しめます。