いにしえの鉱山跡を歩く


皆さんは神辺町の最北端東中条三谷に元禄年間に良質の鉱山があり、大いに栄えていたことを知っていますか。JR福山駅から北約20キロに位置するこの金山・寺山地区には、世界遺産として有名な石見銀山の役人が、当時銀の含有率の調査に訪ねたといわれています。最盛期には坑道が10数か所あったとされますが、現在閉鎖されて内部は見学できません。

50数年前小学生だった私は友達と一緒にロープとローソクを手に洞窟を探検しました。暗くひんやりした洞窟に入り込むと、壁面にツルハシの跡、天井には無数のコウモリ、足元には深いみずたまり……当時の人々の営みを肌で感じて興奮した覚えがあります。

坑道に入ることはできなくても、付近の散策で里山歩きは楽しめます。のどかな段々畑、石垣を積んだ屋敷跡、往時を偲ばせる山神様の祠等も一見の価値があります。登山口は三谷分校跡、戦国時代にこの一帯を支配した金尾氏の居城の木之山城、菩提寺の龍華寺、そして寺山等を巡れば約3時間の一般向きのハイキングコースとなります。411mの寺山山頂から晴れていれば遠くに四国の山々を望むことができます。

詳細は「福山山岳会創立100周年記念 コースガイド100」に紹介しています。福山市内で歴史ロマンあふれる史跡めぐりを楽しんで下さい。(コースガイドは市立図書館にあります)