想い出の涸沢キャンプ


私が山を始めたのは友人からの誘いがきっかけで、それまではこれといった趣味もなく、時々里山ウォーキングをするぐらいだった。10年位前にNHK登山教室に入り岡山県の熊山に登った時、山頂から眺める素晴らしい景色に心が躍ったのを今でもはっきりと覚えている。それがきっかけで、今ではアルプス等の高い山にも出かけるようになった。

昨年の秋には前穂高岳北尾根縦走、5峰~4峰~3峰~2峰~頂上に挑戦した。早朝上高地から入り涸沢にテントを張った。その夜は激しい雨に遭ったが、夜中には雨も上がり満点の星空となった。早朝暗い中ヘッドライトをつけて出発する。最初の取り付け地点5・6のコルに着くころには晴天の夜明け、順調に登攀を開始した。核心部の3峰の取り付きで、前のパーティーによる渋滞に阻まれ、当初の予定より2時間遅れで前穂高山頂に辿り着いた。そこからテント場まではまだ6~7時間かかる為、やむなく途中の山小屋(穂高岳山荘)で一泊、翌朝早く皆が待っている涸沢のテント場へ下り、下山の準備を整え帰路についた。

今回8名(4名登攀、2名北穂、2名涸沢トレッキング)での涸沢キャンプは、協力し合ってそれぞれが当初の目的を完遂するという素晴らしい思い出の残る山行となった。この山行を計画されたリーダーの福原さんには、事前の訓練などで技術的な事の他、いろいろと教えて頂き、安全登山にはチームワークの行動が大切であると強く感じた。