四国八十八ヶ所歩き遍路


四国遍路はご存じと思うが、弘法大師が作られた四国の道だ。阿波の国が発心の道場、土佐の国は修業の道場、伊予の国は菩提の道場、讃岐の国は涅槃の道場としてお参りする。

バスなどの団体でお参りしている頃、歩き遍路さんを時々見かけていたので、究極は私も歩き遍路をしたいと思っていた。同じ歩き遍路であればお大師様の足跡に少しでも近づける修行をと、15年前テントと寝袋を持参して実行した。遍路の総延長は約1400キロと言われているが、二か月後無事結願できた。八十八ヶ所で随一の難所は十一番藤井寺から十二番焼山寺までの遍路道だ。「遍路ころがし」とも言われており、登り下りの連続する厳しい山道だ。また、印象深く今でも思い出す場所は、高知県の室戸岬に行く途中の水尻海岸だ。砂浜にテントを張ったが、夜は満天の星の美しさ、目覚めたときは太平洋から登る荘厳な太陽の神々しさに感激した。

それ以来、歩き遍路を何度もして感じたことは、四国の人々はやさしく、とくに歩き遍路の人には親切だということ。自分がお参りできないのでお遍路さんに思いを託すためお接待をするのだとのこと。たくさんの方々の数限りないお接待は本当に有難く感謝でいっぱいだ。

好きな山歩きを続け、特に北アルプス縦走などで体を鍛えていた事で歩きに自信があり、テント泊等にも不安が無かったことが、1400キロの歩き遍路の結願に大きく結びついたと思う。