「登りたい山より登れる山」等々、安全な登山に関する標語(情報)は今も昔も多く溢れている。しかし山での遭難事故は絶えない。遭難者の半数近くが60歳以上という統計を鑑みる時、自分の体力・知識・装備と同等に大切な事は、ある程度の年齢になると過去の経験、実績を過信せず「控え目登山」を心掛けることだ。過去の体力、実績は例外無く全て過去のモノなのだ。
福山山岳会は色んなジャンルが有り毎週土日を中心に何らかの山行が企画されている中で、私は20年近く歴史街道を軸に活動をしている。歴史街道といっても時代背景、地域、人物、経緯等々を勘案すると一口にはくくれないが、多くは標高1000m以下の里山が多い。
しかし里山といえども日常生活と違う空間なので服装、装備に関しては落ち度のないように留意すべきは言うまでもない。私の年齢になると必需品の一つが「トレッキングストック2本」だ。両手に持った方がバランスが良いし、より効果があると実感している。
最近のストックは収縮がワンタッチで出来るのが主流で、私は最長140cmを愛用している。伸縮幅が長いストックを使う理由は至極簡単、80kgの体重で登る時の負担軽減と、下る時に膝や腰を保護する為だ。登りでの使用はストックを短く、下りの時は伸ばして使うのが基本である。